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サントリー塩尻ワイナリー訪問 ~2017年秋~ @長野



前回7月訪問から約2ヵ月が経過した9月中旬、再び塩尻ワイナリーを訪問しました

7月にはまだ小さかったブドウも10月の収穫まであと1か月というところまできていて、文字通りだいぶ充実したブドウに成長していました

「サントリー塩尻ワイナリー」シリーズが9月5日に発売されたということもあり、これからこの新シリーズのために仕込まれボトリングされていくことになる今年のブドウの作柄は気になるところでもあります
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※新発売された塩尻ワイナリーシリーズ(5種)



という訳で、塩尻ワイナリーツアー第2弾(秋編)です



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新宿を9時に出たあずさは2時間45分で塩尻に到着。サントリー塩尻ワイナリーは駅から見えるほど駅の近くにあります

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最初にテイスティングルームで今日のスケジュールについての説明をお聞きしました

・桔梗ヶ原畑(塩尻園)
・岩垂原畑(山本園)
・テイスティング(塩尻ワイナリー)
・懇親会「かもしや」@松本


その他、17年度日本ワインコンクールでの受賞ワインや塩尻ワイナリーシリーズがメディアで取り上げられた様子などについてレクチャーを受け、さっそく畑の見学に出かけました

塩尻は大きく2つの地域に分かれていて、奈良井川の右岸に桔梗ヶ原、左岸に岩垂原が立地してます。まず最初にいまサントリーが自ら維持管理している桔梗ヶ原の塩尻園を見学させて頂きました




◆桔梗ヶ原畑(塩尻園)

こちらではメルロが栽培されていて、想像した以上に立派なブドウが育っていました。ヴェレゾン(色付き)の季節に雨が多く厳しい年になったそうですが、しかしブドウの粒をつまんで食べた印象からは素人的には十分に甘くおいしいブドウに仕上がっているという印象です
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篠田所長の話によると、「ヴェレゾンが始まったら短期間のうちに一気に色付く方が熟度が上がって良いブドウになる」そうです

御嶽山の火山灰を主とする土壌は雨を含んで湿っていて、ポムロールやサンテステフというイメージに近いそう。乾燥した年だとかなりよいブドウができるそうでした。実際、僕も草の生えた地面を指で掘り返してみるとしっとりとした柔らかい土が出てきます
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※草を生やすことで余分な水分を草が吸い上げてくれるというメリットもあるのだそうです

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収穫は10月中旬になるそうで、最低週に1回程度の頻度でブドウの味わいを確認するようにしているとのこと

ブドウにとっては適時適切に人間が手入れするのが一番良いけれど「それがなかなか難しい」と篠田所長。確かに、畑の隣で寝起きしている訳でもないし、仮にそうだとしてもいまブドウが何を求めているのか耳を澄ませてブドウの声を聞き、ほどよく必要なものを適切なタイミングで与えていくというのは困難な仕事なんだろうなという気がします

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※隣がトウモロコシ畑。雨による土壌の流出を防ぐためにも草を生やしておくことは大切なこと




次に、岩垂原にある山本園へと移動します



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※塩尻の中央を南北に流れる奈良井川。このあたりが地域で一番標高が低い




◆岩垂原(山本園)

こちらではメルロとマスカットベリーAが栽培されていて、まずこちらがメルロ

ブドウの粒を食べて驚いたのが、その味があまりにも桔梗ヶ原(塩尻園)のブドウと違うことでした。ここ岩垂原のブドウの方が、種を歯で噛んだ時のタンニンの感じやピリリとするスパイシーさがよりはっきりと感じられる

これだけブドウ自体の味違うと出来上がったワインの味もそれは違うだろうな、というのが素人でも判る
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こちらがマスカットベリーA。メルロと比べると身の粒の大きさが全く違っていて、ベリーAの方が2~3倍は大きい感じがします。味はメルロに比べるともっと酸味がある

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※ブドウについている白いものはボルドー液。食べても問題ないそうでしたが原料は石灰と硫酸銅。僕は気になったので、、指でこすって落としてから食べました・・

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この後は塩尻ワイナリーに戻りテイスティングになります


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※鳥よけ。至るところで発砲音や天敵となる鳥の鳴き声の音声が流れていました




◆テイスティング
テイスティングのメニューは言わずもがなの塩尻ワイナリーシリーズ(5種)

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1.塩尻マスカットベリーA:2015
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全房まるごと仕込んだワインもブレンドしているというこのベリーAは、イチゴのような甘い香りなど品種の特徴を備えてはいるものの深みや旨味もうまく引き出されている印象。篠田所長によると、ベリーAは果皮のすぐ下にあるペクチンが多くこれが旨味にもつながっているのではないか、という説明でした

外観として色合いに若干濁りがあるように感じたのですが、これは多糖類であるペクチンを多く含むベリーAはろ過がしづらいため粗いろ過にしてあることが影響しているということでした(なるほど)



2.塩尻マスカットベリーAミズナラ樽熟成:2014
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まず木樽の香りが印象的なワインです。篠田所長は「白檀やココナッツ」と表現していた香りは僕にはもっと和風で、まるで和ダンスのようなイメージが浮かびました。酸はおだやかで味わいに深みがあり、香りのキャンディっぽさは1番のベリーAよりも控えめで、全体的に優しい印象

山本園と桔梗ヶ原産のベリーAをブレンドしているとのことでした



3.塩尻メルロ:2014
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ベリーAからメルロに飲みつなぐと、一気に欧州品種のメルロらしい茎っぽい香りが押し寄せてきました。色合いも濃く、香りからはカシス、そしてスパイシーな印象もあります。トップで自然な甘さが感じられ、その後に柔らかいタンニンが追いかけてくる

この14年のメルロは、13年に比べると8月末から9月で雨が多めで夜の気温も低かったためゆっくりとブドウが熟したそうです。まだタンニンの質がややザラついてやや田舎っぽさがあるけれど、ブドウのポテンシャルは年々上がってきているのでバランスよいワインができるという確信が湧いてきたとの説明でした。そのせいもあり、14年からは樽熟成の期間を短くし、そのぶん味わいの中盤から後半にかけての重さはいまは樽で補うことにしているそうです



4.岩垂原メルロ:2014
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香りは穏やかな印象で、タンニンはあるがそれを包む柔らかさや奥行きがあるワイン。中盤から後半でのエレガントさがあり、余韻も中程度から長めの部類

14年とまだ若いのでこれから熟成させるとまた違った印象が出てくるワインだ、という説明でした



5.塩尻メルロ ロゼ:2016

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最後のワインとなるロゼ。チェリーっぽさやスパイシーな香りをまといながら味わいはまろやかで、ヨード(ヨウ素)のような塩苦いニュアンスが感じられる。とろみのような厚みもあるワイン

和食にも合いそうなワインですが、若干ボリューム感もあるワインなので優しい味わいの日本食では少し味の強さで負けてしまうかも知れません。それでも十分においしく飲めるワインでしたし、2000円という値ごろ感もあってか今回のテイスティング参加者の間でも大変好評なワインだったように思います




◆懇親会:かもしや

松本へ移動し、本日最後のイベントなる懇親会です


かもしや
長野県松本市中央1-10-34 公園通りビル 1F
0263-32-6338
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長野のワイン関係者のサロン的な役割も果たしているという「かもしや」。オーナーは銀座で開催された塩尻ワインセミナーにもご登壇頂いた花岡ソムリエなんだそうです

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メニュー:
・牛肉のたたき(w/塩尻メルロ ロゼ:2016)
・アボカドとまぐろのわさび醤油和え(w/塩尻マスカットベリーA:2015)
・鱈のフライ、ごぼうの和風クリームソース(w/塩尻マスカットベリーAミズナラ樽熟成:2014)
・若鳥のレバーソテー(w/塩尻メルロ:2014)
・ジビエのミートソースパスタ(w/岩垂原メルロ:2014)




懇親会には山本園のオーナー、山本博保さんにもご参加いただきました
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※サントリーワインの宣材写真にもメディアにも最近は頻繁に登場されている山本さん。それだけ塩尻ワイナリーシリーズはブドウ生産者の顔が見えるワインなのですね


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今回も機会を与えてくれたサントリーのご担当の方々、及びブロガーの方々にあらためてお礼申し上げます








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by arusanchi2 | 2017-09-28 08:00 | ワイン
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